2020/03/05
皆さんこんにちは。
3月になりました!ようやく寒い冬も終わり(かなりの暖冬でしたが・・・・)春がやって来ますね。勝浦のひな祭りや新勝寺の梅まつりなど我が家の春のお出かけ先の定番ですが、ただ今年は伝染病のおかげで外出を控える事が多くどちらもまだ行けていません・・・・。早く収束するといいですね。
さて、今回は「骨粗鬆症」についてお話ししていきたいと思います。骨粗鬆症に罹る男女比は2:8で特に女性に多い疾患です。骨粗鬆症とは骨のカルシウム量が減少し、いわゆる「スカスカ」の状態になることで骨折しやすくなったり、特有の症状で多くの人を悩ませる疾患です。ではなぜ女性に多いのか?それは男女それぞれの身体におけるカルシウムの存在意義が異なるからです。
➀なぜ女性は骨粗鬆症になりやすいの? 男性の身体にとってのカルシウムは、骨格を強くし過酷な労働に耐える、外敵から身を守るための強い身体づくりのために存在しています。カルシウム代謝の管理は男性ホルモンが行っていますが、年齢による男性ホルモンの分泌量は若干は減少するものの生涯分泌され続けるので体内のカルシウム量の大幅な減少は起こりません。 一方で女性の身体にとってのカルシウムは「子供を産む(作る)ため」に存在しています。自分の骨に貯蔵してあるカルシウムを分け与えて一人の人間、赤ちゃんを作るための材料として女性ホルモンが管理しています。女性ホルモンは卵巣から分泌されていますが、閉経を迎えて卵巣の機能が低下すると分泌量は大幅に減少します。また、閉経によって卵巣から排卵が起きなくなると妊娠はできなくなるわけですから子供を作るためのカルシウムは女性にとっては不要となる。なので溜めなくなる。骨粗鬆症になるというわけです。
②骨粗鬆症になりやすい人はどんな人? 実際に骨粗鬆症になった方のお話を聞くと、「小さい頃から牛乳が嫌いだったからね」や「もっと魚を食べておけばよかった」といった声をよく耳にします。確かにカルシウムの摂取不足も骨粗鬆症の一因になりうると言えますが、一番の要因といえるのが「遺伝」です。食生活に十分気を付けている人でも、血の繋がった親族の女性(おばあちゃん、おばさん)に骨粗鬆症と診断された方がいらっしゃる場合は罹患する可能性が高いといえます。
③骨粗鬆症になったらどんな症状がでるの? まず自覚症状として現れるのが夕方から夜にかけての背中や腰の痛みです。夕ご飯の支度で台所に立っているのが辛くなり、座って休まないといられない。でも次の日の朝起きるとスッキリしているということが多いようです。これ以外に自覚症状というものはあまりなく、転んでケガをしたり、内科でレントゲンを撮って初めて自分が骨粗鬆症であると認識することがほとんどです。脊椎の圧迫骨折(いつの間にか骨折)や大腿骨頚部骨折は骨粗鬆症の方に起きるもので、特に圧迫骨折が多発するといわゆる「腰の曲がったおばあちゃん」になってしまいます。
④予防法はあるの? カルシウムを積極的に摂取するために、食事やサプリメントでカルシウムを補給することが一般的に行われていますが、ビタミンDを多く含む食品と合わせてカルシウムを摂取すると吸収率が上がります。ビタミンDは青魚や椎茸、レバーなどに含まれていますから、イワシやアジを骨ごと食べると効率がいいでしょう。 但し、骨粗鬆症と診断されてからでは効果は限定的となりますから、もし身内の方に骨粗鬆症の方がいる場合は30~40代から食生活には気を付けたほうがいいと思います。 また、脊椎圧迫骨折(いつの間にか骨折)を防ぐ方法としては「正しい姿勢」が有効です。猫背の状態が続くと背骨のある特定の部分に負荷がかかり続けます。骨粗鬆症が進行して骨がもろくなると、負荷のかかっている部分がつぶれるように骨折してしまいます。よって遅くとも30台後半からは背中が丸くならないように、猫背にならないように気を付ける事で骨折のリスクを減少させることが期待できます。
もしお身内に骨粗鬆症の方がいる場合は「いつの間にか骨折」リスク低減のために食生活の改善と姿勢矯正治療を並行して行ってみてはいかがですか?50年後には大きな差が生まれていると思いますよ。