2020/10/28
みなさんこんにちは。
朝晩は大分気温が下がってきましたね。1日の寒暖差が大きくなり、紅葉も北や標高の高い所から徐々に色づき始めているようです。
気温が下がってくると患者の皆さんから「しびれ」の症状を多く訴えられるようになりますが、そもそも「しびれ」とは何なのか、「しびれ」の原因は何なのか、どこに原因があるかなどを今回はお話ししていこうと思います。
➀「しびれ」とは? 「しびれ」の症状は神経由来の症状で、神経が外部からの刺激を受ける事で一時的もしくは慢性的に機能不全に陥る状態をいいます。ピリピリやビリビリ、時には感覚の鈍さや逆に過敏に感じてしまうケースなど症状の出方は人それぞれです。
②「しびれ」の原因は? 原因には大きく分けて2つあります。まず1つ目は神経自体の損傷を伴うもの、例えば「包丁で手を切ってしまった」や神経にウィルスが寄生して神経細胞を損傷させるケースなどがありますがこちらはごく少数です。2つ目は神経自体は損傷を受けないが、周囲の筋肉などの組織に圧迫されて起きるもの、例えば正座をした後の足のしびれやヘルニアによる手足のしびれもこれに該当します。このしびれの特徴は原因さえ取り除いてしまえば症状が消える事で、しびれの原因としてはこちらのほうが圧倒的に多くなります(整骨院を受診される患者様の中ではですが・・・)。
③なぜ冬になると神経の症状が出やすくなるの? 皆さん誰でも経験したことがある「手がかじかむ」という症状も神経由来の症状です。手が冷やされることで手全体の血流が悪くなることや、神経自体が冷やされることで機能不全に陥り、指が動かしずらくなったり、急に温めるとビリビリしたりします。このような状況からも神経は冷やされると正常に機能しなくなることが分かります。また、神経の周囲にある筋肉も寒くなると硬く緊張します。筋肉は伸び縮みして関節を動かすことの他に体温を一定に保つという仕事があります。暑くなって体温が上昇すると筋肉の線維と線維の隙間を広げて体内の熱を放出し、逆に体温が低下すると線維の隙間を閉じて体温の放出を防ぎます。それでも更に体温が下がると筋肉を小刻みに動かして熱を作り出そうとします。これが「震え」の正体です。 従って気温が下がると寒冷刺激による神経自体の機能不全の他に寒さによって硬くなった周囲の筋肉が神経を圧迫することで「しびれ」が起きやすくなるのです。
④簡単にできる冬の神経痛対策 1、下半身を温めよう・・・下半身は上半身に比べて感覚が鈍く、冷えていることに気付きにくいものですが、下半身には大きな筋肉が多く(特にお尻は普段でも冷たく、足へ行く多くの血管の通り道)その分神経への影響も大きくなります。また下半身の血流が良くなることで全身の血流も良くなり身体全体の体温上昇につながります。 2、身体の「正中」を温めよう 正中とは身体の中心のことで、そこには神経の幹である「脊髄」が通っています。ここを温めることで手足に伸びる神経の枝も温められるため防寒対策になります。よってカイロを背中に貼る場合は首の付け根や肩甲骨の間、腰に貼ると効率よく体を温められます。 3、首周辺への過度な防寒対策は禁物 寒くなるとマフラーやタートルネックのセーターなど首周辺の防寒対策をみなさんもすると思いますが、あまり過度に行うと首の動きを妨げて首コリ、肩こりの原因となります。首の付け根にある斜角筋という筋肉の真下を腕に行く神経や血管の束が通っている為この筋肉が硬くなるとしびれや手の冷えの原因にもなります(斜角筋症候群)。2のカイロの貼り方を工夫するなどして首の自由を保ちましょう。
今年の冬は例年よりも寒くなることが予想されています。防寒対策をしっかりして冬特有の症状に対処していきましょう。それでも辛くなったら当院をご利用ください。