2020/01/23
みなさんこんにちは。
今年の冬は記録的な暖冬といわれていますが、やはり寒いですね。そんな中先日インフルエンザの流行宣言が出ました。私の周りでも当院通院中の患者さんやそのご家族にインフルエンザにかかられた方が多くいらっしゃいます。また中国では新型の肺炎ウィルスが猛威を振るっているそうで、日本への影響が心配されています。
「日和見(ひよりみ)感染」という言葉をご存知ですか?私たちが生活している空間には無数の細菌やウィルスが存在しており、常時私たちの体内に侵入してきます。しかし人間には「免疫機能」というものが備わっているため、毒性や感染力の弱い菌やウィルスを駆除し感染を防いでくれます。ただ、この免疫機能は低下してしまうことがあります。寝不足や過度の疲労、栄養の偏りが主な原因で、通常であれば簡単に駆除できる細菌やウィルスに感染してしまう・・・これを「日和見感染」といいます。この日和見感染の代表的なものが「帯状疱疹」で、感染力の弱いヘルペスウィルスに感染して発症します。免疫機能を常に正常に働かせておくためにも「十分な睡眠」「バランスの取れた食事」「適度な運動」を心がけたいですね。3拍子揃えるのはなかなか難しいですが・・・。
この時期猛威を振るうのはウィルス感染ばかりではありません。じつはこの時期猛威を振るうのが「ギックリ腰」なんです。年が明けてから当院にも急な腰の痛みを訴えて来院される方が大変多くいらっしゃいます。ではなぜこの時期にギックリ腰になる方が多いのかをお話ししていこうと思います。
そもそもギックリ腰とは何なのか?ギックリ腰には骨盤の歪みや筋肉そのものに炎症を起こすパターンなどがありますが、どのパターンにも共通している原因が「筋肉の硬さ」です。筋肉が硬いというお膳立てがあってはじめてギックリ腰は起こります。では筋肉を硬くする原因は何なのか?主な原因を挙げてみようと思います。
①疲労 酷使された筋肉は「コリ」や「ハリ」と表現されるように収縮して硬くなります。筋肉を硬くする最も多い原因が疲労です。
②水分不足 血液中の水分が減少すると、血液の粘度が高くなり流れにくくなります。筋肉は血液によって栄養分と老廃物の代謝を行っていますので、血液が流れにくくなると筋肉中の老廃物が溜まりやすくなるので、筋肉は収縮して硬くなります。
③冷え 気温の低下に伴い体温が低下し始めると、これ以上の体温の低下を防ごうと筋肉の線維と線維の隙間を閉じて体温の放出を防ぎます。逆に体温が上昇し始めると、体温を外に放出しようと筋肉の線維と線維の間を広げます。冬はガチガチ、夏はダラ~ンなのはこのためです。
筋肉を硬くする主な原因を3つ挙げましたが、冬のこの時期は②と③の2つが該当します。②の寒さはもちろんですが、汗をかかなくなるこの時期は水分摂取量が夏に比べると大幅に減少しますので③にも該当します。この時期は筋肉を硬くする原因の2つが該当するわけですから、筋肉の硬さが原因で起きるギックリ腰が冬に「大流行」するのです。そこにお仕事の忙しさが合わされば、いつギックリ腰を起こしてもおかしくない状態となります。 よって⓵~③に気を付ける(お風呂に入って疲労回復に努め、温かい服装で身体を冷やさず、水分を積極的にとる)ことでギックリ腰は予防できるといっても過言ではありません。 でもウィルス感染のところでお話しした「食事・睡眠・運動」を揃える事が難しいのと同じでなかなか3拍子揃えるのは難しいものです。ギックリ腰は多くの場合突然やってきます。もし不運にもギックリ腰を起こしてしまったら当院にお任せ下さい。早期回復を実現します。