北海道や東北地方では連日大雪が続いているようですね。関東地方でも雪こそ降らないものの寒い日が続いています。インフルエンザも大流行しており毎年のことながら私もかかりはしないかと戦々恐々としております。 大流行といえば、整骨院に来院される患者さんの間でこの時期に大流行(?)するのが「ギックリ腰」です。患者さんから「去年の今頃もギックリ腰になりました」や「今までに何回もギックリ腰を起こしています」という訴えをよく聞きますが、これが「ギックリ腰がクセになる」と一般的に言われている理由なのかもしれません。 今回はギックリ腰はなぜ繰り返されるのか、本当にクセになってしまっているのか検証してみたいと思います。
1、そもそもギックリ腰って何?一口にギックリ腰といってもその原因、病態には様々なタイプがありますがここでは一般的な2タイプのギックリ腰を解説していきたいと思います。
①筋膜型ギックリ腰(ギックリ腰全体の約5%) 腰部周辺の筋肉を急激に伸ばしたり縮めたりすることによって起きる筋肉の炎症が痛みの原因となる。症状は腰部の強い筋緊張と熱感であり、中には「痛くて全く動けない」という方もいるほど強い痛みが特徴です。救急車で搬送されるケースも少なくありません。
②骨盤型ギックリ腰(ギックリ腰全体の約90%以上) 骨盤の歪みが原因で起きるギックリ腰で、腰部周辺の筋緊張は①と共通するところですが熱感はほとんどないことが多い。主な症状は「歩けるが腰が伸びない」、「朝痛くて起き上がるのに一苦労」といったように①ほど症状は強くはないものの日常生活に支障をきたすには十分の痛みがあります。程度の差はありますが何度も繰り返すのがこのタイプの特徴です。
2、ギックリ腰ってなぜ起きるの?ギックリ腰を起こした方にお話をお聞きするとほとんどの方に共通するキーワードがあります。それは「そういえば一週間くらい前から腰が痛かったんだよね」。痛みではなく「違和感」と表現する方もいらっしゃいますが、何かしらかの予兆は皆さん感じているようです。いきなりやってくるというイメージがありますが、どちらかというと「ジワリジワリ」やってくるもので、そのジワリジワリが蓄積されあるところでドーンと爆発する、これがギックリ腰です。ならばこのジワリジワリ蓄積していくものがギックリ腰の原因になるわけですがそれは一体何でしょう?それは・・・・・
「筋肉の緊張(硬さ)」 です。硬くなった腰の筋肉が骨盤を引っ張ったり(②型)、硬くなった筋肉自体が傷ついてしまう(①型)ことでギックリ腰が起こります。逆に言えば「筋肉が硬い」というお膳立てがなければ多くのギックリ腰は未然に防ぐ事が出来るのです。筋肉を硬くする要因の多くは疲労ですが、寒さ(体温の低下)も筋肉を硬くします。冬にギックリ腰が多いのはこのためです。 3、ギックリ腰の治療原因が分かってしまえば治療は簡単です。いろいろな方法がありますが、要は筋肉を柔らかくすればいいのです。柔らかくすればそれだけで痛みは軽減していきますし、柔らかい状態が続けばギックリ腰は予防できます。「じゃあなぜ筋肉は硬くなるの?」と疑問に思った方はいませんか?ギックリ腰が繰り返し起きる原因はじつはこれなんです。痛みを取ること(対症治療)を最終目標にすることで、筋肉を硬くする原因を取り除くこと(根本治療)をしないから何度でも繰り返すのです。 当院はこの筋肉を硬くする原因の多くは「姿勢」にあると考えています。「いつも腰の右側が痛くなる」というのは身体の左右バランスの崩れを意味しています。つまりは「姿勢が悪くなる」⇒「ある特定の筋肉が硬くなる」⇒「ある特定の場所が痛くなる」であり、この流れを断つための最も効果的な治療方法は「姿勢を改善するという根本治療」となります。
当院でのギックリ腰の治療は第一段階としてまずは「痛み」を取ることを特殊な電気治療機材を用いて、個人差はありますが約一週間(2~3回の治療)行います。痛みが取れ、日常生活に支障を感じなくなったら第二段階の「矯正治療」に移行することをおすすめしています。これによってギックリ腰を起こしにくい身体をつくることができます。
繰り返されるギックリ腰でお悩みの方はぜひご相談ください。